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ミノタウロス/佐藤亜紀

  • 2008-03-03 (Mon) 03:26
  • Books
ファンの端くれとして出た直後に買って読んで、久しぶりに再読。面白い。

主人公は徹頭徹尾どうしようもない人間で、後に相棒となる人物は輪をかけて酷い。

突如として起こった戦争状態で変わっていく少年というのはある意味「戦争の法」の同工異曲だけど、
こちらはもっと陰鬱で、救いがなく、そもそも救いようもないような話。
というか、こちらはそもそも変わってすらいないのかなぁ…単に順応しただけで。いやそれは戦争の法も同じか。

「東京に強制収容所を出現させてみたかった」の一言で東京をジョージ・オーウェル状態にする旦那も旦那なら
帝政末期ロシアの無法地帯を丁寧に描写して絶望的なストーリーを展開する嫁も嫁。
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