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著作権法の講義にて

著作権法の講義では、アニメやら漫画やらの著作権を取り扱うことがあります。
例えばキャラクターに著作権が発生するか、ということについて、判例はこれを否定しています。
キャラクターの人格(ほうれん草を食べたら強くなるパイプを加えた人物)とかはアイディアにすぎず、表現ではない、ということです。
何故例えがポパイかというと、ポパイのキャラクターの著作権が問題になった事件だからですが。
教授「じゃあキャラクターの外見には著作権は発生しますか?綾波レイとか、碇シンジとか」
ちょ、教授!とか思いましたが、教室全体がノーリアクションなので、心にとどめるだけ。
教授「サザエさんとか、どうでしょうね」
いきなり一般化する。
てなことが随分前にありまして。
前回の講義は、映画の著作者を定める規定について。
宇宙戦艦ヤマトとマクロスでそれぞれ紛争がおきています。
ヤマト事件。
教授「これX(原告)は誰でしょうか。Aさん」
学生A(女子)「名前は分かりませんけど、有名な方だったと思います」
教授「松本零士ですね。じゃあY1(被告1)は」
学生A「しりません」
教授「確か西崎さんとか、そんな名前ですね。今は麻薬か何かで捕まってる人です」
詳しいな教授。
教授「松本零士さんはキャラクターをデザインしたにも関わらず著作者としては認められなかったんですね。
エスメラルダとか…」
どうも疲労+頭痛+バファリンの眠気で頭回ってない俺。思わず
俺「エメラルダスですか」
教授「ああ、そうそう。でそれは違うわ。ところでキャラクターの名前は分かりますか。Bさん」
学生B(女子)「分かりません」
教授「じゃあEpiさん」(雑談は席の流れで適当に決まる)
俺「えー、古代進とか、真田さんとか…あんまり名前は出てこないですが…」
教授「森雪とか、アナライザーとかですね。あとデスラー総統とか。
ところでイスカンダルの女王はなんて名前でしたっけ」(俺と目が合う)
俺「サーシャとかスターシャとかそんな名前だったと思います」
どんな講義だ。
その後は普通に松本零士が著作者にならない理由についての質疑応答。
で、マクロス事件。
教授「これXは誰ですか」
学生C「分かりません」
教授「タツノコプロですね。ガッチャマンとか、タイムボカンとか作ったところですね。じゃあBは」
学生C「分かりません」
教授「確かぴえろですね」
学生D「確かぴえろって今はもうはないような…事件判決の日付と合わないような」
教授「え?そうですか?」
学生B(ノートパソコン持ち込みでノートを取っている人)「いま調べてみたらスタジオぬえだそうです」
教授「ああ、そうですか。ところでマクロスの登場人物は分かりますか」
全員首を傾げる。
教授「一条輝とか、リン・ミンメイとか、早瀬未沙太尉とかですね」
ちょ、詳しいな教授。
教授「みなさんこれは常識ですよ。ちなみに放送局は毎日放送で、日曜のお昼二時からやってたんですね」
へ?常識ですか!?
教授「これをデザインしたのは美樹本晴男…だったかな」
もはやアニオタ認定されることはあきらめている俺。
Epi「晴彦じゃないですかね」
教授「そうそう。その人がデザインしたんですね。ところで常識のないAさん、マクロスに出てきた戦闘機の名前は分かりますか」
学生A「分かりません」
教授「ヴァルキリーですね」
その回の講義は予定部分を若干残して終了しました。
教授は、文部科学省の審議会委員をやってたり、司法試験委員も務める知的財産法の分野ではとてもとても偉い人です。
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