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Boy's Surface/円城塔

  • 2008-03-01 (Sat) 23:16
  • Books
出た当初は「ちょっとなー」って感じで避けていたのですが、佐藤亜紀が激賞していたのを思い出し、
(というのもハヤカワJコレにはタイトルと惹句に騙された経験(シン・マシンとか)があるもので)
伊藤計劃の「虐殺器官」を買いにわざわざ電車で大型の書店へ。どうせ近所には置いてないだろうし。

…やはり書店は自分の求めるものを取り揃えていることがある程度予想できるところ、
あるいはある程度大きなところに行くべきですね。
円城塔の新作が出てることなんて全く知りませんでした。
これも歩きで行ける範囲では一番大きい某書店の品揃えが俺の好みからかけ離れてるのが悪い。

さすがにハヤカワJコレを二冊抱えてレジに行くというのはちょっと躊躇われましたが。
何というか、自分がビブリオフィルの仲間入りをしたんじゃないかという…いや、まだ大丈夫だ。
閑話休題。いい加減前置きが長い。

さて、当初の目的の虐殺器官そっちのけでとりあえず読了。
そんなに厚みがないのにやたら時間がかかったのはきっと、
・意味が理解できない
・そもそも意味がない
のどちらかでしょう。とりあえず技巧的な文章ではあると思うし、好きな文体でもあるけど。
聖書の創世記から力技で国産みにつなげたりするあたりは大好きです。
でも、もう二回くらいは読まないと意味があるのかないのかすら分からない文章が多すぎて。

ごくごく短い挿話を集めて一つの物語を作ったSelf-Reference ENGINEとは違って今回は完全な短編集。
とはいえ、一つ一つの短編が短い相互に関係があるのかないのか量りかねる複数の断章で構成されていて、
その意味では前作と似た構造ではあるかも。

今回は全編数学ネタをベースにした恋愛小説になっています。
いや、「恋愛小説」は自称であってこれが恋愛小説かといわれると首を傾げざるを得ないのですが。
まあ、確かにボーイ・ミーツ・ガールではある。うん。

とりあえず万人にお勧めできる類の本ではありませんが、無駄に饒舌でナンセンスな文体が好きな人は是非。
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