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October 2006

グラン・ヴァカンス 廃園の天使1

この小説、どうやら買った後読まずに長い間ばけつ氏に貸していたらしいのですが、買った記憶がありません。
多分「象られた力」を読んだ後買ったんでしょうが、その推理はできるのですが決定的な記憶がありません。
ばけつ氏に「俺が貸したんやっけ?」と問うと「epiから借りたよ」と言っていたので俺が貸したんでしょう。
そんなわけで、帰ってきたのは随分前だったんですが、何となくまた読まずに放っておいて、
ふと読み出したのが1週間ほど前。昨日読了。
文体が妙に重いため、読むのに慣性がかかるというか、読み始めるまでにエネルギーが要りますが、
一旦読み出すと最後まで続きを読ませられる力があります。
作者自身が言っているように話の内容自体はそう目新しいものではありませんが、一読しておくべき本といえるでしょう。
そんな訳で読み終えて、別件で調べ物をしていたら飛浩隆が今年の11月祭にくると言う情報が。
で、「廃園の天使」シリーズの続編が出たということだそうで。
天の配剤というか、不思議なもんです。

コミック版ひぐらし・綿流し編

一部エピソードは削除・改変されてますが原作ほぼ完全再現ではないかと思います。
1巻が綿流しのお祭り以前で、2巻がそれ以降となっております。
1巻と2巻の雰囲気が違いすぎるのはひぐらしなので当然でしょうか。
オヤシロモードのキャラの表情は破壊力抜群で、なおかつラストシーンのアレは大変エグい絵になっております。
大石もかなり怖い。
原作綿流し編で多くの人を恐怖と驚愕に陥れたであろう詩音の最後の電話の後のアレもちゃんと収録されております。
個人的に綿流し編はかなり好きなシナリオなので(目明しとどっちが、といわれると微妙ですが)、
若干読む側にも補正が入っている気もしないでもないですが、よくできてると思いますよ。

きりきりなぼくの日常/小林めぐみ

ここ最近、SF作家・小林めぐみの仕事は富士見ミステリー文庫がメインになっているらしい。
とはいえ、既に5冊出ており、雑誌連載もしている「食卓にビールを」シリーズはどこがミステリーなのかさっぱり。
内容的には単なるSF小噺としか言いようがない。面白いけどね。力の抜けっぷりが。
まあ一応ミステリー文庫ということを意識してか、本の最後には必ず宇宙刑事ネタが入るのだが、本当にそれだけ。
それすら犯人が地球の常温では融解する異星人(液化しても生存可能)で、密室から脱出できるとかその手のノリ。どこがミステリーだ。
まあ、それではいけないと思ったのかミステリー文庫で同時進行させているのが「星屑エンプレス」シリーズで、
今日読んだのはその二作目にあたる本です。
ああ、前置き長かった。
えー、今作は基本設定をちゃんとミステリー風味にしてあるため、連続殺人を解決する話です。
すげー、やる気だ、とか思ったら、連続殺人はそっちのけで登場人物が好き放題してたりします。
…絶対にこのシリーズ異星人の描写を入れたい放題入れてるだけだよなぁ…。面白いけど。
個人的なお勧めは宇宙生命図鑑―book of cosmos
おそらく重版はかかってないだろうから手に入れるのが難しいかもですが。家に残ってるかしらん。
前作読んだ時には気付きもしなかったけど、イラストがぽぽるちゃでした。
S=Fリプレイ「フォーラの森砦」でPLやってイラスト書いてた人です。それだけ。

冬至草/石黒達昌

まだ全部読みきっていませんが。
短編集になっていて、作者が医師だからでしょうが、医療ネタが多い短編集です。
ジャンルはハヤカワSFJコレクションから出ていることからSFと読んでもいいのでしょうが、
裏表紙にある「理系小説」という言葉が一番しっくりくるかも。
文章の体裁自体はレポート調のものを除いては小説風にはなっているのですが、技術として上手いよには感じません。
○○は、
「・・・・・・・・」
と呟いた。
みたいなのを見せられるとこれは小学生の作文か、とか正直思ってしまうのですが、内容が濃い。濃すぎる。
科学に魂を売ってしまう、という言葉が浮かびます。倫理と科学の相克が伝わってきます。イヤと言うほど。

イット/児玉ヒロキ

正直な感想。金返せ。
電子図書パピレス投票6週連続1位!の帯を見て買ったのですが、なんというか…。
新書で、文章が縦二段の構成で印刷されていて、一行は22字で構成されているんですが、
3行以上続く文章が全体の10%くらいな気がする。
なんというか、ノベルゲームとかADVの文章を印刷して読まされている気分です。
…というかまさにその通りなんだろうか。違うと思うけど。
まあ、形式がどうとかいうのはともかく。
大体この文章もBLOGという形態で一応読みやすいよう意識して書いてるものだし。
・内容が色々都合良過ぎ
主人公の超絶天才っぷりは想像を絶するもので、それゆえに描写しきれていません。
「そのような事態は既に想定されていたのだ」とか言われても「そんなアホな」としか言いようがない。
通常、設定には何らかの裏づけがないと読者は納得できません。
宇宙戦艦ヤマトで真田さんが「こんなこともあろうかと」と言うのが納得できる人とできない人に分かれるのに似ている気がします。
できる人は真田さんがそういう人だということを自然と受け入れられる人で、できない人はそうじゃない人です。
・超人多すぎ
上とも関連して。
中世風味な割には「魔法なんかない」世界なのですが、
超人的な人間が都合よく味方陣営にいすぎ。
・人物の内面描写の薄さが・・・。
ハードボイルドを目指しているのか、心の描写はほとんどなし(多少はある)。
その是非はともかく、おかげで人物の内面がさっぱり見えません。
ハードボイルドはあえて内面の描写を見せないものですが、行動によって語るものなのですが、それも微妙。
・戦記もの?
超人主人公が伝説の人物として語られる伝記もの、という体裁なんだそうです。ほんまかいな。
「中原」とかそういう三国志テイストな言葉を使っているあたり、戦記ものを目指そうとした雰囲気も垣間見えます。
垣間見えますが、闘争が全くドラマチックに見えない。
諸葛亮やナルサスでももう少しハラハラさせてくれますよ。
主人公が神のごとき慧眼を持っているとしか言いようがないため、全く緊張感がない。
あー、金返せ。
最初の数ページ立ち読みした限りでは面白くなるかなってな予感は多少あったんだ。くそう。
追記:何となくナルサスと書いたところで分かるのか不安になったのでググってみました。
…最近はナルサスというのは「ナルト×サスケ」を意味する言葉のようです。びっくりしました。
俺が書いてるのはアルスラーン戦記の軍師のことです。あしからず。

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